空き家を放置すると何が起きるか 固定資産税・建物の傷み・管理責任
「とりあえず、そのままにしてある」
空き家についてご相談をいただくとき、いちばん多いのがこの状態です。壊すのも売るのも決断が要りますし、急いで困っている実感もない。だから、そのままになる。よく分かります。
ただ、空き家の放置には、時間とともに積み上がっていくコストがあります。この記事では、それが具体的に何なのかを整理します。脅かすためではなく、判断材料としてお読みいただければと思います。
1. 固定資産税が最大6倍になる可能性があります
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税の課税標準が軽減されています。200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は6分の1、それを超える部分は3分の1です。都市計画税にも同様の軽減があります。
この特例は、空家等対策特別措置法にもとづいて「特定空家等」に指定され、市区町村から勧告を受けると解除されます。つまり、土地の固定資産税が実質的に大幅に上がることになります。
さらに2023年の法改正で「管理不全空家等」という区分が新設されました。特定空家に至る前の段階、たとえば窓が割れている、雑草が繁茂している、といった状態でも、勧告を受ければ同じく特例が解除されます。以前より早い段階で対象になる、ということです。
※税額の具体的な計算は自治体や物件によって異なります。実際の判断の前に、所在地の市区町村または税理士にご確認ください。
2. 建物が傷み、選べる出口が減っていきます
人が住まなくなった家は、住んでいる家より早く傷みます。換気されないことで湿気がこもり、木部が傷み、シロアリが入りやすくなります。屋根や雨どいの不具合も、気づく人がいないまま進行します。
これが効いてくるのは、いざ動こうとしたときです。
- 3年前なら「軽い手直しで貸せる」状態だった家が、「大規模修繕が必要」になっている
- 建物付きで売れたはずが、「解体前提の土地」としてしか値がつかなくなる
- 解体費用そのものも、時間とともに上がっている
放置している間、選択肢は静かに減り続けます。これが空き家でいちばん大きな損失だと、私たちは考えています。
3. 管理責任は所有者にあります
空き家の瓦が落ちて通行人がけがをした、ブロック塀が倒れて隣家の車を壊した。こうした場合、土地工作物の所有者として損害賠償責任を問われる可能性があります。住んでいないから責任がない、ということにはなりません。
また、火災保険は「空き家」だと通常の住宅用火災保険に加入できない、あるいは保険料が上がることがあります。契約が住宅用のままになっていると、いざというときに支払われない可能性もあります。すでに空き家になっているなら、保険の契約内容は一度確認しておくことをおすすめします。
4. 相続人が増えて、話がまとまらなくなります
これは時間だけが原因の問題です。
兄弟2人で共有している家を放置したまま、どちらかに相続が発生すると、その持分がさらに分割されます。共有者が2人から4人、4人から6人へと増えていくと、全員の合意が必要な売却は事実上できなくなります。
2024年4月から相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記しない場合は過料の対象になりました。名義が古いまま止まっている物件がある方は、方針が決まっていなくても登記だけは先に進めておくべきです。
では、何から手をつければいいのか
いきなり「売るか貸すか」を決める必要はありません。順番としては、次のようになります。
- 名義を確認し、必要なら相続登記を済ませる。ここが止まっていると、他のすべてが動きません
- 建物の現況を見る。まだ貸せる状態なのか、解体前提なのか。ここで選べる選択肢が決まります
- 選択肢を並べて数字にする。売る、貸す、解体して土地として活用する、保有し続ける。それぞれ手元にいくら残るのか
- 家族と話す。数字が揃ってから話すほうが、感情論になりにくくなります
まずは現況を見せてください
ist株式会社では、空き家・遊休不動産の活用についてご相談を承っています。売却ありきのご提案はしません。貸す、活かす、保有を続ける。それぞれの選択肢を数字と手間の両面で並べ、ご家族の事情も踏まえて一緒に考えます。
築年数が古くても、遠方でも、共有名義でも構いません。東京・神奈川・埼玉・千葉を中心に対応しています。現況の確認とご提案は無料ですので、お気軽にお声がけください。
※本記事の税制・法令に関する記載は、掲載時点の一般的な内容です。制度は改正されることがあり、個別の事情によって取り扱いが異なります。実際のご判断の前に、税理士・司法書士などの専門家、または当社へご確認ください。