相続が起きる前にできること 不動産を持つ家庭の生前対策チェックリスト
「相続対策」と聞くと、資産家の話だと感じる方が多いかもしれません。ですが、実際にご相談が多いのは、自宅と少しの預貯金という、ごく普通のご家庭です。
不動産が一つでもあると、相続は「分けにくい財産をどう扱うか」という問題になります。この記事では、不動産を持つご家庭が、相続が起きる前に確認しておくとよいことを順番に整理します。
1. 誰が相続人になるかを確認する
意外に思われるかもしれませんが、ここが曖昧なまま話が進んでいるケースは少なくありません。前の配偶者との間にお子さんがいる、兄弟姉妹が相続人になる、養子縁組をしている。こうした事情があると、想定していた分け方が成り立たなくなります。
戸籍を遡って確認するのは相続が起きてからでも構いませんが、「誰が権利を持つのか」だけは早めにはっきりさせておくべきです。
2. 不動産の現況と評価を把握する
次に、持っている不動産が「今どういう状態か」を確認します。
- 名義は誰か。共有になっていないか
- 登記は現況と合っているか(増築や滅失が反映されているか)
- 接道や境界に問題はないか
- 相続税評価額と、実際に売った場合の価格はどれくらい違うか
最後の項目は特に重要です。相続税の計算に使う評価額と、市場で売れる価格は一致しません。評価額では分けられたつもりでも、実際に売ってみたら想定と大きく違った、ということが起こります。
3. 分け方の見通しを立てる
不動産は物理的に分けられません。取りうる方法は、おおむね次のいずれかです。
- 現物分割:不動産はAさん、預貯金はBさん、というように財産ごとに分ける
- 代償分割:不動産を取得した人が、他の相続人に金銭を支払う
- 換価分割:売却して現金にしてから分ける
- 共有:持分を分け合う
このうち共有は、その場は収まっても、次の相続で権利者が増えて動かせなくなります。避けられるなら避けたほうがよい選択です。代償分割を考えるなら、支払う側に資金があるかを先に確認しておく必要があります。
4. 納税資金があるかを確認する
相続税は原則として現金で、申告期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)までに納めます。財産の大半が不動産で預貯金が少ない場合、納税のために慌てて売ることになりかねません。
売り急ぐと、価格は下がります。事前に試算して、足りないと分かっていれば、生命保険を使う、一部を先に売っておくなど、打てる手があります。
5. 遺言を残すかを考える
遺言は、財産の分け方を決めるためだけのものではありません。「なぜそう分けたのか」を伝えられる点に、大きな意味があります。
分け方そのものより、理由が分からないことで感情がこじれることのほうが多い、というのが実感です。付言事項として想いを書き添えておくだけでも、残されたご家族の受け止め方は変わります。
6. 名義が古いまま止まっていないか確認する
祖父母の代の名義のまま登記が止まっている不動産は、珍しくありません。この状態だと、売ることも担保に入れることもできず、いざというときに数か月動けなくなります。
2024年4月から相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記しない場合は過料の対象になりました。心当たりがある方は、方針が決まっていなくても登記だけは先に進めておくことをおすすめします。
まずは棚卸しから
ここまで6つ挙げましたが、すべてを一度にやる必要はありません。まずは「誰が相続人で、どんな財産があって、どこに論点がありそうか」を一枚に書き出すところからで十分です。
ist株式会社では、不動産を含む相続のご相談を承っています。財産の棚卸しから、分け方の検討、必要に応じた税理士・司法書士との連携まで、窓口を一本化してお手伝いします。東京・神奈川・埼玉・千葉を中心に対応していますので、「まだ先のこと」と思われている段階でお声がけください。
※税制や法令の取り扱いは改正されることがあります。実際のご判断の前に、税理士など専門家にご確認ください。
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