自宅の査定額はなぜ会社によって違うのか
複数の不動産会社に査定を依頼すると、金額に差が出ます。数百万円、場合によっては1,000万円以上開くこともあります。
同じ物件なのに、なぜこうなるのか。相場が会社によって違うわけではありません。査定額は「いくらで売れるか」の予想値であって、確定した価格ではないからです。
差が出る3つの理由
1. 参考にしている事例が違う
査定の基本は、似た条件の物件がいくらで成約したかを見る「取引事例比較法」です。ところが「似た条件」の選び方には幅があります。
直近半年の成約事例を使うか、1年分を使うか。同じマンションの別の階を使うか、近隣の別のマンションも含めるか。都合のよい高い事例だけを並べれば、査定額は簡単に上がります。
2. 想定している売却期間が違う
「3か月で売り切る前提の価格」と「1年かけてもよい前提の価格」は当然違います。ところが査定書に期間が書かれていないことは珍しくありません。
金額だけを比べると、期間の前提が違うものを並べていることになります。
3. 媒介契約を取るための金額
残念ながら、これも現実にあります。高い査定額を出して媒介契約を結び、売れないことを理由に値下げを提案していく、という進め方です。
最終的に成約する価格は、最初から適正な価格を出していた会社と大差なかった、ということになりがちです。差が出るのは、売れるまでにかかった時間と、その間の精神的な負担です。
査定書で確認すべきこと
金額そのものより、次の点を聞いてみてください。
- どの成約事例を根拠にしているか。似た条件か、都合のよい事例だけになっていないか
- その価格で何か月以内に売れると考えているか。根拠は何か
- 売れなかった場合、どうする想定か。いつ、いくらまで下げる前提か
- その会社の直近の成約事例。近隣で実際に売った実績があるか
これらに具体的に答えられる会社は、根拠を持って価格を出しています。逆に金額の話ばかりで前提を説明しない場合は、少し慎重になったほうがよいかもしれません。
高い査定額が悪いわけではない
誤解のないように書いておくと、査定額が高いこと自体は問題ではありません。根拠があって高いなら、それは良い情報です。
問題なのは、根拠を確かめないまま金額だけで会社を選んでしまうことです。売却で最終的に効いてくるのは、査定額ではなく実際に成約した価格と、そこまでにかかった期間です。
一括査定サイトを使うときの注意
一括査定は相場観をつかむのに便利ですが、登録すると複数社から一斉に連絡が来ます。まだ検討段階の方には負担が大きい場合があります。
「まず相場だけ知りたい」という段階なら、1社にじっくり聞くほうが、根拠まで含めて理解できることが多いと思います。
査定だけのご相談も承っています
ist株式会社では、売却を決めていない段階での査定も歓迎しています。金額と一緒に、その根拠と想定期間、売れなかった場合の考え方までお伝えします。
すでに他社の査定書をお持ちの場合、その内容を第三者の立場で検証することもできます。当社に切り替えていただく必要はありません。判断材料を増やすためにお使いください。