投資用マンションの出口戦略 いつ売るのが正解か
投資用不動産は「いつ買うか」より「いつ売るか」で結果が決まる、と言われます。買った時点で利回りはおおよそ確定していますが、最終的に手元にいくら残るかは、売却のタイミングで大きく変わるからです。
ではその「いつ」をどう決めるのか。判断材料になる4つの軸を整理します。
軸1:保有期間と税率
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、税率は保有期間によって変わります。譲渡した年の1月1日時点で保有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得として扱われ、短期のほうが税率は高くなります。
ここで注意したいのが、起算点が「取得日から5年」ではなく「譲渡した年の1月1日時点で5年超」だという点です。数か月違うだけで税率が変わることがあるので、売却を決めたら必ず確認してください。
軸2:減価償却の終わりと「デッドクロス」
建物は減価償却によって、実際には出ていかない費用を経費として計上できます。この償却が終わると、経費が減って課税所得が増えます。一方、ローンの元金返済は経費になりません。
その結果、帳簿上は黒字なのに手元の現金が減っていく状態が起こります。これがデッドクロスと呼ばれるものです。償却期間の終わりが近づいているなら、そこは一つの判断ポイントになります。
軸3:大規模修繕のタイミング
一棟物件なら外壁や屋上防水、区分マンションなら修繕積立金の値上げ。いずれも、まとまった支出や収支の悪化が見込まれる時期があります。
修繕前に売るか、修繕して価値を上げてから売るか。どちらが有利かは物件によりますが、「気づいたら修繕直前で買い手がつきにくくなっていた」という状態は避けたいところです。長期修繕計画は一度目を通しておく価値があります。
軸4:残債と手取り
最終的に判断を決めるのはここです。売却価格から、ローン残債、仲介手数料などの諸費用、譲渡所得税を差し引いて、手元にいくら残るのか。
表面的な売却価格だけを見ていると、「思ったより残らなかった」ということが起こります。逆に、価格が想定より低くても、残債が減っていれば手取りは十分ということもあります。判断は必ず手取りベースで行ってください。
「売らない」という結論もある
ここまで売却前提で書いてきましたが、試算した結果「持ち続けたほうがよい」となることも当然あります。
安定して回っていて、残債も順調に減っていて、当面まとまった支出の予定もない。そういう物件をわざわざ手放す理由はありません。売り時を考えるというのは、売るかどうかを毎回ゼロから検討するということです。
複数持っているなら、順番を考える
物件を複数お持ちの場合、「どれから手をつけるか」が重要になります。すべてを同じ基準で見るのではなく、収益性・資産性・出口の取りやすさで並べたうえで、全体のバランスから順番を決めます。
一つひとつは正しく見える判断も、全体で見ると逆に働くことがあります。ここは単体の物件を見ているだけでは気づきにくい部分です。
試算からご相談ください
ist株式会社では、投資用不動産の売却について、手取りベースの試算からご相談を承っています。売る・持ち続ける・買い替える、それぞれの見通しを並べてお示ししたうえで、判断していただきます。
「今が売り時かどうかだけ知りたい」というご相談でも構いません。当社が仲介に入ることを前提にしたご提案はしませんので、お気軽にお声がけください。
※税制の取り扱いは改正されることがあります。実際のご判断の前に、税理士など専門家にご確認ください。